日本にいて知らない人はほぼいないのではないでしょうか。
「キングコング・西野亮廣」
何かと話題に上がることが多い西野さんですが、先日「新世界」という本を出版されましたね。
これまた話題になりました。
なんで話題になったかっていうと、「全文無料で公開しちゃったから」です。
ビジネス書の全ページをネットで無料公開して、家の中で「立ち読み」をできるようにしたら、どうなるでしょうか?
「無料で全部読めるなら買わなくていい」となるでしょうか?
僕はそうは思いません。
新刊『新世界』全ページ無料公開です。
西野亮廣(@nishinoakihiro )https://t.co/m3xv4Gx7WW
— 新R25編集部 (@shin_R25) 2018年12月19日
ちなみにですが、以前、「えんとつ町のプペル」という絵本を出版されたときも、西野さんは無料で全ページ公開されてました。
「せっかく生んだ作品も、お客さんの手に届かないと、生まれたことにはなりません」
『新世界』を全ページ無料公開し、話題騒然となった西野さん。(@nishinoakihiro )
彼が「お金を取っ払った」原点は、『えんとつ町のプペル』にありました。
すべての人に届く、絵本。https://t.co/qyCXIYZ5Ju
— 新R25編集部 (@shin_R25) 2018年12月19日
このときは、あとから無料公開したこともあって、
「先にお金を出して買った人の気持ちはどうなるの?」
とか、あるいは
「クリエイターにお金が入らなくなる」
などなど、ちょっとした炎上騒ぎもありましたねー。
しかし、蓋を開けてみれば、えんとつ町のプペルは「Amazon書籍総合ランキング1位」、発行部数は36万部突破(2018年7月時点)の大ヒット。
そのヒットの理由のひとつを、西野さんは「革命のファンファーレ」の中でこう説明しています。
…、絵本を買う決定権を持つお母さん方は、そもそも十分にネタバレしている作品にしか反応していない。
絵本というものは、ネタバレをしてようやく「買う・買わない」を判断してもらうスタートラインに立てるのだ。
引用:『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』/ 西野亮廣 / 株式会社幻冬社
かんたんにまとめると、
「絵本の価値は主に”読み聞かせ”にあって、読み聞かせるためには”紙の絵本”を買う必要がある。
紙の絵本を買うには、「この絵本なら間違いない」と思ってもらう必要があるので、その確認作業をしてもらうために全文無料公開することにした」
というところでしょうか。
この辺については、西野さん自身がブログで書いているので、よければそちらも合わせて読んでみてほしーなと思います。
参考『えんとつ町のプペル』を無料公開したらAmazonランキングが1位になった。
んで、今回は出版したばかりの「新世界」を全文無料で公開しちゃったわけですが、当然「ビジネス書においても同じように無料公開して売れるのか?」とまぁこのような疑問がわいてくるわけです。
絵本と違ってビジネス書は読み聞かせするわけではありません。
さらにいえば、西野さん自身「革命のファンファーレ」のなかでこう述べています。
ビジネス書でも無料公開の出し場所を散らせば売り上げが伸びる。
しかし今回全文無料公開された「新世界」は、新R25のひとつのページで完結。
にも関わらず、ボクは全文を読んだあと、ソッコーAmazonで「新世界」をポチりました。
理由はいくつかありますが、大きくわけると2つほど。
- 内容を繰り返し読んで、腹落ちさせたかった。
- 著者である西野さんに何かしらの形で還元したかった。
1.内容を繰り返し読んで、腹落ちさせたかった。
「新世界」の内容ははっきりいってものすごく濃いです。
1回読んだだけでは、とてもじゃないですが消化しきれません。
ちゃんと理解するには、何回か反芻して消化していく必要があります。
しかし、Webブラウザって、読み返すことに不向きなんですよね…。
目当ての箇所を確認するために何度もスクロールしないといけないし、Kindleなら簡単につけられるハイライトやメモも活用できないので、まとめるのにすーごい手間がかかります。
ひとことでいうと、めんどくさい。
何度もブラウザ上で読むぐらいなら、値段も1,000円ちょっとですし、もう本で買っちゃった方が早いと思ったわけです。
2.著者である西野さんに何かしらの形で還元したかった。
2点目は、内容が素晴らしかったからこそいえるのですが、これだけの内容を無料で受け取ったまま終わるというのはなにかスッキリしません。
「すこしでもお返しがしたい」
そう思い、あらためて有料版を購入したというのも理由のひとつです。
けっしてええかっこしいではありません。
(ちょっとあるけど)
心理学でいうところの「返報性の原理」ですね。
【返報性の原理】
人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。
引用:Wikipedia
「いやそれおまえがもともと西野さんのファンだっただけの話だろ」
というクリティカルヒットしかねない批判がきそうですが、これはボクがもともと西野さんのファンであることを差し引いたとしても、このように感じていたと思います。
それだけの内容でした。
まとめ。
内容に自信がある場合、フリーミアムは非常に効果的な戦略になりますね。
(もちろんいろんな要素を兼ね備えてる必要がありますが)
イメージとしては「マンガ喫茶で読んだマンガを、Kindleやマンガ本としてあらめて購入すること」に近いです。
面白いマンガは何度も読み返したいと思うので、ボクは1度読んだマンガでも、Kindleで購入することがよくあります。
これはボクに限らず、「古本屋さんで読んだマンガであっても、購入して自宅の本棚に並べてます」というかた、結構いるんじゃないでしょうか。
とはいえ、これは内容がいいからこそ成り立つ戦略。
「しょーもないな」と思ったら、絶対買わないので、無料公開することで逆に売り上げは激減するかもしれないですね。
少なくともボクは、いくら無料であってもあえて購入したいとは思いません。
というか最後まで読まないと思いますし、なんなら性格悪いので「今読んだ時間、返してもらってもいいですか?」とさえ思ってしまうかもしれません。
ながながと講釈たれましたけども、ひとことにまとめると「すごくいい内容だったからあなたもぜひ買ってみてね💖」ということでございますです、はい。
コメント