「人に与えることがいいというのはわかるけど、自分は人に与えられるものなんてなにも持っていません」
「与える」と聞くと、なんだか難しいイメージですよね。
ひとに何をしてあげられるだろうか?
自分になにができるだろうか?
なにもできることなんてないんじゃないか?
僕自身、いつもこんな考えが頭をめぐっていました。
でも「与える」というのはそんなに難しいものではありません。誰にでも「与える」ことは可能なんです。
あなた自身のこれまでを振り返ってみてください。友達でも、家族でも、道でたまたま出会った人でも、「救われたな」と感じたことはありませんか?
それがそのままあなたのできる「与える」につながるヒントです。
ランチ時間が大嫌いだった僕を救ってくれた一言。
僕自身の経験を例にお伝えしましょう。
僕は高校を一旦やめ、別の高校に入り直したので、3年間1つ下の年齢の人たちと共に過ごしました。「年齢が1つ上だ」というちっぽけなプライドから、なかなか友達ができませんでした。
お昼ご飯も大体1人教室の隅っこで本を読みながら食べていました。
経験したことがある方も多いと思いますが、高校生という多感な時期に大勢のクラスメイトが楽しそうに喋りながらご飯を食べるなか、1人だけでご飯を食べるというのは相当しんどいです。
そんな時、「一緒にご飯食べよう!」と言ってくれる友達ができました。たったのその一言に、僕がどれだけ救われたか…
わかるでしょうか?
ランチの時間がくる恐怖。「また今日もひとりか…」という絶望。何日たっても慣れず、「ランチ恐怖症」という病気があってもいいんじゃないかと思えるほどの胸の苦しみ。せっかく作ってくれた母の料理も、心なしかあまり味が感じられません。
そんな時に投げかけられた「一緒に食べよう!」という一言。
高校卒業後、彼とはまったく連絡を取っていませんが、その一言はあれから15年ほどたった今でも、深く僕の心に刻み込まれています。
もしかしたら言ってくれた本人はまったく覚えていないかもしれません。でも、あの一言は間違いなく僕の人生を変えました。
僕たちみんなが誰かのために何かができる。
「与えるものが何もない」なんてことは絶対にありません。あなたが誰かのためにできることは必ずあります。
あなたがただ笑顔でいるだけで、多くの人が幸せな気持ちになれます。
あなたがただ一緒にいるだけで、救われる人がいます。
あなたがかける一言で、人生が変わる人もいます。
僕たちみんなが、誰かのために何かができるのです。「情けは人のためならず」という言葉があるように、いつかあなたが誰かにしてあげた何かはあなた自身に返ってくるでしょう。
何をしていいかわからない人は、まずは笑顔で1日過ごしてみてください。それだって立派な「Give」なんですから。
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